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      Time DomainとGatingについて
    
測定セットアップ

 VNAのTime Domain測定ではGating機能があります。
 TDR測定で得られた反射特性から必要な部分を抽出したり不要な部分を削除する事
 が可能です。
 更に、Gatingした波形をFrequency Domainの反射特性に変換できます。
 これにより、開発製品の改善の方向性を検討する事が可能となります。
 非常に便利な機能ですが、Gatingで得た反射特性は実際の反射特性より良い特性
 になることがあり注意が必要です。
 下記の測定でGatingで得られたS11と実際に測定したS11の相違をみてみます。

 1.測定セットアップ(上記「測定セットアップ」参照)
  同軸ケーブルの両端に雷サージアダプタを取り付ける。
  雷サージアダプタは3[GHz]までの製品で3[GHz]以上の帯域では反射特性が悪化
  する。(下記「デ−タ1」参照)
 2.測定手順
  a.VNAでS11を測定し、Time DomainのImpedance表示に変換する。(データ2参照)
  b.Gatingで雷サージアダプタ1のみを抽出する。(データ3参照)
  c.上記データをS11に変換する。(データ4参照)
  d.Gatingで雷サージアダプタ2のみを抽出する。(データ3参照)
  e.上記データをS11に変換する。(データ4参照)
 
データ1(3GHz]帯域雷サージアダプタの特性)

データ2(測定セットアップのTDR特性)
 
データ3(Gating後のTDR特性)
 
データ4(Gating後のS11特性)

 ほぼ同じS11特性の雷サージアダプタ1と2がGating後のS11データでは、異なって
 います。(データ4参照)
 雷サージアダプタ1にはVNAの信号全てが印加されますが、雷サージアダプタ2には
 「雷サージアダプタ1+同軸ケーブル」の損失で減衰した信号が印加されます。
 減衰した印加信号に対して雷サージアダプタ2の反射がVNAに戻るので反射が小さ
 くなり実際の反射特性より良く見えています。

 この現象は同軸ケーブルの反射特性の測定にも影響します。
 同軸ケーブル部をGatingして得たS11特性は雷サージアダプタ1の影響で実際のS11
 特性より良く見えてしまいます。


 Time Domain測定では観測部分の前段の特性が影響している事を考慮する必要があ
 ります。
 治具を使用している場合はDe-Embeddingを行う事でキャンセル可能です。