TOP > 技術情報・他
      車載Ethernetのモード変換測定について

 車載Ethernetの100Base-T1規格では測定治具の規格が規定されています。
 その中でも、モード変換(Sdc11)規格は非常に厳しい数値が求められています。
 (下図「モード変換規格」参照)
 
モード変換規格(OABRから抜粋)
 製作した治具が規格を満足している事を測定する必要がありますが、規格が厳し
 いので測定にも細心の注意が必要です。
 下記の点を考慮する必要があります。

 1.周波数1[MHz]-20[MHz]
  VNAの残留成分が影響し、ドリフトによる影響を考慮します。
   a.VNAは十分な暖機運転を行う。
   b.安定した室温状態で測定する。
   c.Cal実行後、できるだけ素早く測定する。
 2.周波数20[MHz]-200[MHz]
  差動ラインのペア内スキュー(Intra-pair skew)が影響します。
  VNA-治具間に使用するテストケーブルは位相変化の少ないケーブルを使用する。
  Cal実行後は、出来るだけテストケーブルを曲げない。
  セミリジットケーブルまたはセミフレキシブルケーブルの使用を推奨します。
 3.治具に接続する前の特性を確認する。
  ドリフトの影響で規格を越えた場合は再Calを実行する。

 当社製差動測定基板+SMAレセプタクルキットの測定例を下記に示します。
 1.上記3項目に配慮した測定を行います。
 2.テストケーブルに治具を接続する前にモード変換が規格値以下である事
を確認
  します。(下図「OPEN」)
 
モード変換測定データ

OPEN

SMA+PWB